ChatGPTの登場から早くも一年以上が経ち、AI関係のシステム開発や実証実験の開始、協業や業務提携についてのニュースを目にしない日はないほどになりました。自社で基盤モデルを開発する、AIアプリケーションを提供する、業務効率化のために外部のAIシステムを利用する、など活用状況は様々ですが、AI活用やそれと表裏一体となるリスク管理・ガバナンスの課題と無関係の業界はなくなりつつあると言って良いでしょう。
AIのビジネス活用の進展の傍ら、国内では3月中の決定に向けてAI事業者ガイドラインの策定作業やAIセーフティ・インスティテュートの設立、知財・著作権分野の制度検討などが急ピッチで進んでいます。AIのリスク管理やガバナンスの取組は、理念や大枠の議論が一段落し、各企業による地に足のついた「社会実装」を必要とする段階に到達しつつあります。
こうした流れの中、Robust Intelligenceは、リスク検証プラットフォームによるリスクの特定・対処を通じて、国内のリーディングカンパニーと共同で先進的なAIガバナンスの取組を進めつつあります。
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また、産業横断でAIガバナンスのあり方について議論・政策提言を進める「AIガバナンス協会」にも事務局社として参画し、共同創業者の大柴が理事にも就任しているほか、政策企画責任者の佐久間が行動目標WGのヘッドを担当しています。
2024年はAIリスク対策・AIガバナンスの社会実装を進めてAI活用によるメリット最大化の道筋を確かにする年であるというメッセージを大柴が各所で発信しています。今回はその活動の一部をご紹介します。
Geodesic Forum 2024 TECH CONFERENCE
元駐日米国大使のジョン・ルース氏によって設立され、シリコンバレーのスタートアップコミュニティと日本企業を繋ぐベンチャーキャピタルであるGEODESIC CAPITAL主催のGeodesic Forum 2024のTECH CONFERENCEに大柴が登壇しました。
講演では、自社取組の紹介を交えつつ、日本の社会問題解決のためにAI活用は必要不可欠であること、早期にAIリスク管理の取組を実践に移し、安全性・品質などのリスクをいち早く乗り越えることで日本はAI先進国になれるポテンシャルを持っていることを400名近くの参加者にお伝えしました。
AIガバナンス協会記者発表会
AIガバナンス協会の設立以降の活動成果と今後の活動方針について、メディア各社にお伝えするため、AIガバナンス協会の5名の理事による記者発表会が実施されました。
大柴からは、各企業が個別にAIガバナンスを考え、実践するのは難しいからこそ、積極的に先進企業間で知見を共有して取組を進めるフォーラムとしての協会が重要であることをお伝えしました。Robust Intelligenceは理事社・事務局社として協会の運営や対外発信に関与するほか、他の会員企業と共同で同協会の「AIガバナンス行動目標」の策定やパブリックコメントの起草・提出にも貢献しています。
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AIガバナンス協会自民党AIPT登壇
2024年2月21日(水)8:00から自民党本部で行われた第32回「AIの進化と実装に関するプロジェクトチーム」に、大柴がAIガバナンス協会理事として、政策企画責任者の佐久間が事務局長として出席しました。実装段階に移りつつあるAIガバナンスをいかにして官民連携のもと推進するかについて、出席議員や政府関係者と提言・意見交換を行いました。
講演においては「AIガバナンスの民主化」をキーワードに、AIのビジネス活用を担い、日々エンドユーザとも直に接している産業側の団体として、積極的に政策形成の場に参画・知見提供する官民連携の方向性を提言しました。出席議員からは関係法令の議論への関与や国内外のAIガバナンス関連団体とのコラボレーションなど、協会に対して多くの期待のコメントが寄せられました。
Robust Intelligenceは、生成AIを含むAIのモデルとデータに対して何百もの自動テストを実施し、品質面、倫理面、セキュリティ面のリスクを検証することで、AIリスクを未然に防ぐAIリスク管理ソリューションを提供しています。引き続き、ソリューション提供や協会での活動を通じて、健全なAI活用の実現に取り組む日本企業を支援していきます。
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